リズム九九の記事にちらっと書いたのですが、「認知負荷を軽くする」ことが学びでは重要、というのは、実は私の中ではかなりコアなアイディアなのです。端的に言えば、「物事からその本質を抜き出す」ということになるでしょうか。
エルは不安感が強く、いろんなものに拒否反応を示す乳幼児でした(今はごくフツーの幼稚園年長さん)。1才までベビーカーは絶対拒否&おんぶで昼寝しても、床に降ろすと泣く。2才まではしばしばおんぶ、3才までは公園に他の子どもがいると私から離れない、典型的なママべったりのお子ちゃまでした。
私が(半ばあきらめつつ)思ったことは、
「まぁ…とことんまでつきあおうじゃないか!」
ということ。不安の反面、物事を見抜く目はなかなか鋭かったので、とにかく不安を取り除いて安心さえさせれば、この子はあとは一人で学んでいくに違いないという確信がありました。
というわけで、早期教育系および習い事は全て不可能(笑)エルの場合に限って言えば、これがかえって幸いしたのではないかと、今ではなんとなく思います。
具体的に工夫したことは、
・まずは、食事。できる限りまともなものを食べさせる。
→凝ったものや高級な物ではなく、ゆでたての野菜とか、焼きたての新鮮な魚とか、なるべくそのままの味を。「だしをとる」「豆を煮る」というのも、私の密かなライフワーク。
・着心地がよく、手入れが楽で、汚しても惜しくないものを着せる。
→コンビミニや、プチバトーや、クオーレ・アモーレなどの、綿100%ニット類を愛用。基本はTシャツにスパッツ。上に着るものより、肌に直接触れる、下着にお金をかけていたかもしれない。私自身もほぼ同じ主義のワードローブだったりします。
・よく知っていて、予想ができる環境を整えてあげる。
物の位置を変えないとか、お風呂などの手順の順番を変えない、など。生活ペースもなるべく乱さないように、遅くなるお出かけなどはなるべく控えていました。外出も、同じ公園に何度も通いました。
→生活の流れが「背景」となって、意識しなくてすむような、リラックスした状況下で、もっともよく吸収できると思ったからです。
・初めて触れるものは、慣れるまでは、何も言わずにあれこれ試させる。
たとえば、スプーンを使わせようと思ったら、最初の日は、目の届くところで好きに持たせる。2日目は、私が使う様子をよーく見せる。3日目になって初めて、折を見て、そーっと右手で正しく持たせる、というような感じ。しばらくの間は、目の届く範囲で使わせ、私のやり方を見せるが、正しい使い方は強制しない。ストロー、はさみ、はし、鉛筆なども、こんな感じでした。
→周囲の大人は「見かけが正しく」使えているかを気にしますが、まずは、本人が新しい環境に対して、どのように働きかけるかを観察することが何より大切だと思ったからです。もし、不適切な行動を引き出すような道具であれば、その点を改善した道具に替える、など。最もシンプルな物がよい効果をあげることが多いです。道具が適切な物であれば、その物が持つ可能性を十分に試した後は、スムーズに「最も便利な(=正しい)」使い方をするようになります。道具と子どもの潜在的な力を信じることは、モンテにも通じる点があるかもしれない。道具は身体性の延長である、ということについてはまた後日。
・絵本は、同じ本をくり返すか、同じキャラクターが出てくる物を選ぶ。
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