エルが現在取り組んでいる「入学の準備ワーク(応用編)」なのですが、さすがに出題もだんだん凝ってきて、こんな問題がありました。
「ひだりの カードと おなじ かずに なるように、みぎから カードを 2まい えらんで、( )に ○を かきましょう。」
要するに、左側にあるカードに書かれた●の数を数え、それを分解したものとなるカードを、右の4枚の中から2枚選ぶ、ということなんですが。それが、4題並んでいます。
丸つけしようとすると、エルが寄ってきて、開口一番にこう言いました。
「この問題、100万回読んで、やっとわかったよー。」
確かに…これは難しい。本人いわく、左と右がよくわからなくなって何度も読んだ、ということなんですが。もちろん、「ひだり」は目立つ赤いマーク、「みぎ」は青いマークとなって、文章中にも問題図中にも対応させて表示されています。また、数の分解も、選んだ2枚の●の位置関係は、欠け方できっちりと対応しているので、出題意図の点から言えば、それなりにわかりやすい問題、のはず。
しかし、これを「言語経由」できっちり納得させようとすると、かなり難しいですねぇ。むしろ、問題文を読まずに、図の持つ関係&整合性から、直観的にルールを引っ張り出すほうが簡単かもしれない。
エルは、現実的な意味とかシステムとかに目が行きがちなので、こういう抽象的な問題に直面して、現実における「価値」や参照すべき類例などがよくわからなくて、面食らったのかもしれません。ある意味、当然といえば当然のカルチャーショックであります。
私はエルにこう言いました。
「あのね、問題文をきちんと読む訓練をするところが、小学校なのね。答えが合っていればそれでいいのは幼稚園生まで。問題文を100万回読んだエルは大丈夫、ちゃんと小学生になれるよ。」
そして「そうだねぇ、確かにこの文は、難しいよね」ということになり、ゆっくりと問題文を読み上げながら、エルの目の前で、鉛筆で線を引いて見せました。「なるように」「2まい」に下線をひきました。
そして、まだ足りないなーと感じたので、もう一度読み上げながら、「…なるように / みぎから…」「…えらんで、 / ( )に…」を斜線で区切りました。
最後にもう一度、下線と斜線を感じられるようなやり方で読みました。
こうやって、文章に汚しを入れつつ自分のものにしていく作業は、3色方式の亜流です。たとえ無味乾燥な問題文であったとしても、「自分から働きかける」という、身体の構えは大切だと思います。文章をなんとか自分のものにして、図との対応を確かめる。その間を行ったり来たりしながら、内容をつかんでいく。
次にこのパターンに出会った時に驚かないように、また、慢心して同じパターンだと思いこまないように、などなど、いろんな思いが頭をよぎります。
「文章題とは」ということについても、自分なりの本質というか方針というか、そういうものを見つけていかなければなぁ、と思った次第です。今回はとりあえず、エルの現在の関心事である「小学校とは」というところで解釈してみたけれど、これからもっと混み入って来たときに、一体どこに注目するべきなのか?母目線での試行錯誤は続くのでありました。
そしてこの、算数が国語に立脚している点についての考察は、『祖国とは国語』のレビューにつながる…予定であります!←と、自分を盛り上げてみた(笑)
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